7.名画から学んだ絵画の黄金法則

描きたいと感動した主役(見せ場)位置(名画から学

んだ描き方)

私が名画を多数模写した時、それぞれの絵の主役の位置(見せ

場)が、なぜこの位置に描かれているのか? との疑問から、いろいろな

絵について縦からと、横からとを測定してみたら、殆どが一つの法則(特に

洋画)の上にあることが分かったのです。

それは、黄金律(6.用語集⑩参照)をベースに描かれているのだと言うこ

とだったのです。

黄金律は、1:1.618の関係ですが、100分比に直すと、38:62

になります。

即ち、一枚の紙を横にして全体を見たとき、下から38%のところ、上から

62%のところが黄金律のところになります。そこが一番美しく見えるとこ

ろなのです。

今度は、この紙を縦にして全体をみてください。横の場合と同じように3

8%と62%の場所を押さえてください。

そして紙を縦と横にしてみたときの双方の交点が一番美しく見える場所と

なるのですから、そこに感動したものを描けば、一番美しい見ごたえのある

絵になるというわけです。

私は、12人の先生に教えを受けましたが、それまで全くわからなかったの

です。ただ、諸先生は、真ん中を外して描けば絵に動きが出るし、奥行きも

出る。と、言われましたし、教室では諸先輩の主役の位置が、やはり真ん中

より少し左右に描かれているので、見よう見まねで真ん中より少し左か、右

の場所に主役を置いて描いていました。しかし、名画の模写をし、見せ場を

測定して初めて黄金率の場所に描くのだということが分かったのです.

2020年1月の日経新聞の広告に、宮内庁に原画が保管され

ている巨匠小倉遊亀先生の名作「椿」が掲載されていました

が、この構図を測定しましたら、私が過去に測定した名画と全

く同じように、それぞれのパーツが配置されていましたので、

ご参考までにご覧ください。

①主役の位置は、縦横62:38の交点に位置

②枝の広がり、空間の埋め込み、壺の文様の美しさ(力の入れ方)

③花の不等辺三角形による配置

正に、私がこれまでに述べてきた内容が正しかったものと、納

得しています。

②そして、この主役が引き立つように脇役を描くのですが、脇役の位置は、

主役との関係で多少動かしても良いのです。(何しろ絵空事なのですから)

30年位前のことですが、中国の著名な画家と一緒に、河口湖の富士山を水

彩画でスケッチした時のことです。

夕方でしたので富士山が赤く夕日に映えていましたが、その場所からは富士

山だけしか見えなかったのです。でも、先生は、手前に大きな松の木を3本

描いていましたので、その松はどこの松ですか、と伺いましたら、ずーと左

にあるのを持って来たのですよ。との説明がありましたので、その時は仰天

したものです。

以上の二点を常に意識しながら構図を作成するのが良いと思います。

次の作品は、私が名画を模写したものです。

私が模写した世界的名画(上から、フラゴナール、フェルメール2点、陳逸飛)です。

主役(見せ場)の位置を意識して描いた私のス

ケッチ画です。

JR千葉駅前通り

神田明神

お茶の水聖橋下通り

千葉浅間神社公園の根上がり松

魚の干物

シクラメン

8.静物の描き方

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする