- 絵画五原則
「コレクターが賞を選ぶ絵画展」を主催されていた故金田弘治先生が、良い
絵画の条件を、長年画商であり画家として研究した結果、良い絵画とは「絵
画三原則」にそって制作されている作品であることが分かったと「金田弘治
人生画帖」の中で述べられています。
その三原則とは、
- 独自性(人の物真似でなく、独自の画風である)
- 精神性(何を、どう伝えようとしているかが表現されている)
- 絵画的空間性(物と物との関係が分かり、それらの間には空気が感じら
- れる)
私は、これらに加えて
- バランス(配置、色調がバランスよく、観ていると快く、感動する状態
- になっている)
- 物語性がある
ことを挙げたいと思っています。
絵の評価は、主観的なものですから、本来どれがよく、どの絵が悪いという
ことはなく、その人が良いと感じるのが良いのですが、多くの人々が観て飽
きずに、いつまでも傍に置きたい絵は、やはり訴える力がある良い絵と言え
るのではないでしょうか。
絵は、いろいろな言い方があります。
岡本太郎先生は、「芸術は、爆発だ。」「芸術は、現在の否定だ。」
平山郁夫先生は、「絵画は、強調と省略である。」
描き方にも、
元二紀会理事長の故成井弘人先生は、「ご馳走を中心に描き、周りはそれを
より効果的に見せるためのハーモニーだ。」
故桐弘史郎先生は、「絵は、心で感じたものを表現するのだ。」
中国画の著名な先生は、「まず、先生の手本をなぞり、花鳥山水の模写を経
て、それから自分の絵を描くのだ。」
などと言われています。
名画と言われている絵を描いた巨匠は、一様に写実画を基礎とし、具象画に
進み、更にアブストラクト(抽象画)を描いたり、シュールリアリズム(超
現実主義)や心象絵画など、自由に描く世界に飛び出しています。
(例)雪舟、ゴッホ、ピカソなど