( )に国名のないのは英語です。
① アール・デコ(Art deco)1920年代から30年前半にかけてフランス
を中心に流行した 工芸・グラフィック・ファッションなどのデザイン思
想。1925年のジグザグ模様、幾何学的形態と機能美を強調した装飾美術
展がきっかけとなった。
フランス語のArts decoratifs:装飾美術から。
② アクリル絵の具アクリル樹脂を媒材にした水彩絵の具ではあるが、透明
で、速乾性があり、一旦乾くと耐水性に優れているので、塗り重ねができ
る。第二次大戦後アメリカの画家たちが愛用し世界中に広まる。
また、航空機の風防にも使用された。不透明のアクリルグワシュもある。
③ アニメーション(Animation)少しずつ変化させて描いた一 連の絵な
どを一コマごとに撮影し、これを連続映写して動きを与える映画・テレビ技
法。動画。アニメ。
④ アール・ヌーボー(Art nouveau)1895年開店の工芸品店の「新芸術」
から興った建築、工芸から、絵画・ポスター・風俗にいたるデザイン思潮。
植物の枝や、つるを思わせる曲線の流れを特色とする大胆な色彩。
⑤ ビエンナーレ(Biennaleイタリア)2年に一度行われる国際的美術展。
ヴィネツイア、サン・パウロ、パリなどのものが著名。
⑥ エスキース(Esquisseフランス) スケッチ。下絵。油彩などの本画を
描く前の感動した内容を記憶しておくためのイメージ画。
⑦ エチュード 習作。完成品(タブロー)に対する言葉。
⑧ エッチング(Etching)よく磨いた銅板に書画を彫刻して作った凹版の
総称。
⑨ オブジェ(Objetフランス)シュールレアリズムが無意識に対応するも
のとして作品化した物体、または作品。ダダイズムが、ガラクタを寄せ集め
て作品にした流れにあるもの。日本の生け花でも行われている。
⑩ 黄金分割(Golden section)視覚上の調和を求めて古代ギリシャで考
えられた比例。黄金律、黄金比ともいい、縦と横の関係が1:1.618=
5:8=38:62(百分比)の関係が最も安定した美感を与える比率とさ
れている。
なお、キャンバスのサイズもこの比率で出来ている。
⑪ キャンバスサイズ(Canvas size)油彩のキャンバスの規格サイズは、
万国共通ではない。市販されているものの他に、フランスサイズと呼ばれる
規格もある。S(正方形Square)、F(人、物Figure)、P(風景
paysage)、M(海Marine)という順に長くなる。
額装する場合のマットサイズは確認が必要。
⑫ 色彩構成 平面構成と呼ぶこともある。さまざまな色彩を組み合わせ
て、形とバランスを取り合い、一つのまとまりのある画面を作ること。
⑬ スケッチ(Sketch )概略や印象を写し取った図。素描。エスキース。
屋外での写生。クロッキー。以前は、油絵の下絵的な感じであったが、最近
はむしろ着眼点がわかるので美大入試にも出題される由。スケッチコンクー
ルや、スケッチ展なども華やかである。
⑭ 石膏像 美術の教材で、主にギリシャ彫刻やルネッサンスの彫刻などが
原型として用いられるが、西洋美術の基礎を学ぶための教材である。最近
は、東京芸大の入試には出題されるも、他の美大では必ずしも出題されてい
ないようである。
⑮ 静物(Still Life)静止して動かないもの。自ら動く力のないもの。通常
は、絵画や写真のモチーフとして、人物や風景などと区別するために使われ
る。あらかじめ様々なものをセットして、それを写生した作品の総称。
⑯ ドローイング(Drawing)無形または淡彩の図画。素描。デッサンのこ
と。
⑰ 練ゴム 通常の消しゴムは、ゴム屑がでるが、練ゴムは粘性の強い個体
でけし屑が出ない。使用前に良く練り込むと中に空気が入り込み適度に柔ら
かくなる。
⑱ パース(Perth)パースペクテイブの略。線遠近法をいう。近くにある
ものより、遠くにあるものが小さく見えたり、平行線はと遠くで出会う(消
失点)ということから考えられたもの。
⑲ フレスコ画(Fresco)「新鮮な」の意で、西洋の壁画に用いられる技
法。漆喰を塗って乾ききらないうちに、水彩絵の具で描く。石灰の層の中に
絵の具が染込んで乾くので堅牢となる。フレスコ壁画。
⑳ 不透明水彩 アラビアゴムを材料として不透明な顔料を混合した絵の具。
透明水彩は、白は紙の生地を活かしているが、不透明水彩は、絵の具のホワ
イトを混ぜて明度を上げる。ポスターカラーは、不透明水彩の一種である
が、最近は、アラビアゴムの代わりにアクリルを混ぜたアクリルグアッシュ
(速乾)と言われる絵の具や、デュオ、アキーラ(弛乾)も出ている。
㉑マチエール(Matiereフランス)絵画用語としては、絵の具や描画材料の
もたらす材料的効果や絵肌。材料、物質。美術作品における材料的効果。
㉒モチーフ(Motifフランス)絵画、彫刻、小説などにおける表現の動機と
なった中心思想をいい、絵では、描く対象で、静物、風景、人物などをいう。
㉓クロッキー(Croquisフランス)短時間でする写生、速写、英語のスケ
ッチに相当する語。日本では、写生をスケッチ。略画、速写画をクロッキー
と言っている。
㉔模写 過去の絵画作品を写す行為。多くの画家が、勉強時代に過去の画家
の作品を写すことで、自らの糧としてきたことは知られている。模写は、大
きく分けて、現状模写と復元模写があるが、全社は、眼前の作品をそっくり
写し取ることで、後者は経年劣化した作品が制作当時どうであったかを研究
し、再現するものである。
㉕木炭 画用木炭。小枝をそのまま焼いたものと、太い木を割いてやいたも
のがあるが、硬さや色合いで使い分けられる。柳、栗、水木、などの木炭が
ある。木炭の芯は、ゼムクリップなどを伸ばして取り除いてから使用すると
良い。木炭紙いう専門の紙を使用して描くかが、木炭に固着性がないため、
フキさチーフという定着液をスプレイして画面に定着させる。一般に、透明
水彩画は木炭を使用せず、鉛筆でデッサンする。
㉖リトグラフ(Lithographeフランス) 石版画。石または金属の板に油
性の描画材で描き、弱酸性溶液を塗ると化学変化を起こして、描かれた部分
は油性物質を引き付け、それ以外は水分が残る。この板を湿らせて油性イン
クを乗せると、インクが描いた部分のみに付着し、他は水で弾かれることを
応用して刷る技法。
㉗グリザイユ(Grissilleフランス)灰色、黒色などの単色の明暗・濃淡で
浮き彫りのような効果を出す技法、またその作品。17,18世紀に流行、
主として室内装飾に用いられた。
㉘テンペラ(Temperaイタリア)西洋画の一種。顔料を膠質または 糊の
類で練って描いた絵。
㉙パステル(Pastelフランス)洋画に用いる乾性絵の具。レーキ性の敷料
に炭酸カルシューム・白土などを加えた粉末をアラビアゴムなどで練り固め
て棒状にしたもの。18世頃から使用されている。
㉚色鉛筆 蝋、ワックス、粘土などに染料絵の具を混ぜたものを芯にした鉛
筆。ドイツ製のイーグルカラーが、色付きが良いので使っている。国産の水
彩色鉛筆もある。
㉛習作 絵画、彫刻、音楽、文学などで、練習のために作った作品。エチュード。
㉜デッサン(Dessanフランス)素描(そびょう)。単色の線や筆触によっ
て物の明暗などを表現するもの。
㉝コラージュ(Collageフランス)貼り付け絵。近代絵画の技法の一つ。画
面に紙、印刷物、写真などの切り抜きを貼り付け、一部に加筆などして構成
する。広告、ポスターなどにも広く応用。ブラックやピカソらが創始者。